中医学では「陰陽」という言葉があります。
これ。
この図、見たことがあると思うのですが、名前はわからなかったりしますよね。
「太陰太極図」というのだそうです。
これ、陰と陽を表しています。
ちょっと難しいのですが、例えば、白を「善」として、黒を「悪」として考えてみましょう。
「善」と「悪」がちょうどよいバランスになっています。
おそらく、これがベストバランスなのでしょう。
ただ、真ん中から真っ二つに別れずに、ちょっと不安定な形になっているのは、
「境界線が曖昧」ということです。
つまり、はっきりと「ここからここが陽。こっちからこっちは陰」というように
「きちんと定義ができない」というような意味で考えてもらえると良いのではないでしょうか?
ところで、みなさんは、真ん中に丸い目があることにお気づきでしょうか?
これは、「陽の中にも陰がある」そして「陰の中にも陽がある」ということを表しています。
先ほどの「善」と「悪」で考えたとき、「善の中にも悪がある」ということにもなるし
「悪の中にも善がある」ということにもなります。
大切なのは、絶対に100%の「善」というのは存在しないということだと思うのです。
人は、自分が正しいと思えば思うほど、その正しさを他人に押し付けようとします。
果たして、それは「善」なのでしょうか?
100%の善などはありえません。
なのに、善意というのが暴走することが多々あります。
コロナ禍でも見受けられますよね。
〇〇警察とか、いろんなことが起こっています・・・
善意だと思っているのかもしれませんが、そこには「悪」が存在することを忘れてはいけません。
しかもですよ。
バランスが崩れて「善」」が大きくなると、その目のようになっている「悪」も一緒に大きくなると言われています。
善意の暴走ほど恐ろしいものはありません。
あなたにとっては善意でも、誰かにとっては悪意に感じることもあるものです。
逆に言えば、あなたが悪意に感じたことは、もしかしたら相手は善意でやっているのかもしれません。
難しいですよね。
なので、ほどほどが大切なのではないでしょうか。
実は、私、先日・・・
狭くなった雪道を車で走っていました。
でね、対向車が来たのですが、これはすれ違えないんじゃないか??と思ったので、停車したんですよ。
でもね、その対向車は突っ込んできまして・・・
すれ違いざまにミラーにぶつかったんですよね。
私の車、新車なんですよ・・・
ええ、一応、夏に買ったばかりの新車なんですよね・・・
なのでね、「おいっ!じじい!!何しやがるんじゃ!!」って思ったんですよ。
じーさん、停まりもせずにそのまま知らん顔で行っちゃうしね。
ドラレコに証拠残ってるから警察に通報したろか!!とかも考えるわけです。
新車なのに!!って思うとね、どうしてくれようか!!謝るのが常識でしょ!!
とか思うわけですよ。
私の正義が騒ぐわけですよ、うん。
でも・・・ミラーには傷もないしね・・・
じーさんだから、ぶつかったことに気付かなかったかもしれないしね・・・
と思うと、まあいいや・・・ってなって、結局、何もしてないんですけどもね。
何かを執拗に責めようとしたとき、きっかけは自分の中の「正義」や「善」であったとしても
最終的には「悪」になってしまうこともあるんじゃないのかなぁ・・・と思うのです。
ちょっと難しいけれど、バランスって大切だと思うのです。
ほどほどって大切です。
中医学では中庸といいますが、このバランスの取れた、きれいな図のように陰も陽もあるのが普通だと思うのです。
どちらかに傾いたらバランスが崩れます。
このご時世で、鬱々としている人、多いと思います。
先日、「コロナは少しずつ人の心を蝕んでいきますね」とおっしゃった人がいて、本当にその通りだと思いました。
だからこそ、気を付けないと暴走してしまうかもしれません。
こんなときだからこそ、「正しさ」よりも「優しさ」を大切にしていけたらいいなぁと思います。